はじめに
弊社は、イラスト・音声・映像・キャラクターデザインなど、#とちぎけんV25(※)を含む数多くの著作物を制作・発信しております。
近年、生成AI技術の急速な発展にともない、これらの著作物をめぐって看過できない事例が相次いで発生しています。本声明は、弊社のAI技術に対する基本姿勢と、弊社コンテンツの取り扱いに関する方針を明確にするために公表するものです。
※ #とちぎけんV25 とは、弊社が運営する栃木県を拠点としたバーチャルライバーユニットです。
https://tochigiv25.com
AI技術に対する弊社の基本姿勢
弊社は、AI技術そのものに反対する立場ではありません。
むしろ、テクノロジーの進化によって新しい表現や働き方が生まれ、社会がより豊かになっていくことを歓迎しています。弊社自身も、業務の一部にAIを取り入れ、その恩恵を実感してまいりました。
だからこそ、AI技術が正しく理解され、健全に活用される環境が守られることを願っています。使い方を誤れば、創作物やその制作者、そしてAI技術そのものへの信頼を損なう結果につながりかねません。
現状について
近年、弊社の著作物に関して、次のような事例が確認されています。
- 弊社が制作したキャラクターイラストを読み込んで、AIによって生成されたにもかかわらず、手描き作品であるかのように投稿されている
- 弊社が納品したイラストについて、取引先が制作物をAIに読み込ませて加工した結果、キャラクターの顔や特徴が本来の意匠から変化した状態で使用・掲載される
いずれも、制作者の意図しない形でキャラクターの同一性が損なわれるものであり、ファンの皆様や関係者の信頼を裏切りかねない、看過できない事態と考えています。
なお、生成AIにキャラクター等の画像を読み込ませ、加工・再構成させる処理は、技術的な性質として「元の絵をそのまま保つ」ことを保証するものではなく、統計的な処理を経て新たに再生成し直されるものです。(※)
その過程で、意図せずキャラクターの特徴が変化することは、生成AIの技術的な仕組み上、避けがたいものと弊社は認識しています。
※生成AI(拡散モデル系)にキャラクター画像を読み込ませて再構成させる場合、それは「元画像の一部を保持したまま抽出」ではなく、統計的に再生成された「別の絵」になります。高性能なAIで細かい設定をすれば、構図やディテールをかなり近く保つことは可能です。ただし、できるのはあくまで「近づける」までであり、原理的にどのAIツールにもできないと想定しています。
世界の動向について
生成AIをめぐっては、その利用実態や生成物の出所を明確にすることを求める動きが、世界的に広がりつつあります。
一例として、EU(欧州連合)では2026年8月より、実物と見紛うようなAI生成コンテンツに対してラベル表示を義務づける規則の運用が始まっています。日本国内においても、現時点で法的な強制力を伴う単独の規制は存在しないものの、政府によるガイドライン整備が進められており、事業者の自主的な対応が求められる段階にあります。
弊社は、こうした国際的な潮流を踏まえ、法整備を待つのではなく、事業者として先んじて明確な方針を示すことが、コンテンツと関係者の双方を守るために必要であると判断いたしました。
弊社コンテンツにおけるAI利用に関する方針
以上を踏まえ、弊社は以下の方針を定めます。
対象となる著作物
弊社が制作・保有するすべての著作物(#とちぎけんV25 に関するものを含みます)を対象とします。
- イラスト(キャラクターデザイン、ファンアート提供物、コラボレーションイラスト等を含む)
- 音声(ボイス、楽曲、ナレーション等)
- 映像(MV、配信アーカイブ、映画等)
- ロゴ、キャラクターデザインその他のビジュアル素材 ほか全て
禁止する行為
上記著作物について、弊社の事前の書面による許諾なく、以下の行為を行うことを禁止します。
- 生成AIに読み込ませ、加工・改変・再構成すること
- 生成AIを用いて、著作物の一部または全部をもとに新たな画像・音声・映像を生成すること
- AIによって生成・加工した物を、あたかも手描き・手作業による制作物であるかのように表示・発信すること
- 前各号によって生じた生成物を、印刷物・広告物・SNS等いかなる媒体においても使用・掲載すること
対象とならない行為
以下の行為は、本方針の対象外です。
- AIによって生成した背景・デザイン等の上に、弊社が納品した著作物を加工せずそのまま配置・使用すること(弊社著作物自体を生成AIに読み込ませない場合に限ります)
上記はあくまで、弊社と正式な契約のもとで納品された著作物・制作物の取り扱いに関する規定です。弊社が公開しているコンテンツ全般を、契約関係のない第三者が自由に使用してよいことを意味するものではありません。ファンの皆様による二次創作等の取り扱いについては、別途定める各コンテンツのガイドラインに従ってください。
皆様へのお願い
弊社は、取引先の皆様、ファンの皆様との信頼関係のもとで、これまでコンテンツを届けてまいりました。本方針は、その信頼関係を今後も大切にしていくためのものです。
AI技術との健全な向き合い方を、皆様とともに考え、築いていければ幸いです。
YUM innovation合同会社
